「ターザン」でも知られる小説家エドガー・ライス・バローズが1912年に発表したSFヒロイックファンタジーの古典的名作「火星のプリンセス」(創元SF文庫刊)を、「ファインディング・ニモ」「ウォーリー」のアンドリュー・スタントン監督が自身初の実写作品として映画化したアクションスペクタクル。1868年、アメリカ南北戦争で活躍したジョン・カーターは、ある出来事がきっかけで地球から遠く離れた滅びゆく神秘の惑星バルスームに瞬間移動してしまう。そこで出会ったサーク族の戦士タルス・タルカスやヘリウム国の王女デジャー・ソリスらと心を通わせたカーターは、バルスームの危機を救う戦いに身を投じていく。タイトルロールを演じるのは、「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」の新鋭テイラー・キッチュ。美貌のヒロイン、デジャー・ソリスをリン・コリンズが演じる。
星☆ (星5つが満点)
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せっかく「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」で注目を浴びて主役に抜擢された
バトルシップに続いて、更に歴史的なおおゴケをした映画。この2本でテイラー・キッチュは今後どうなるのか?
ま、そんな話はさておき、映画は酷かった。昔の原作ということで、インディアンを一方的な存在として描くのはまだ許そう(そうでない演出もできるはずだが)。主人公の人間性、キャラクターが一貫性がなく、その背景も薄っぺらくて哲学がないので、共感はもちろんのこと、感情移入ができないため、最後までその嫌な感覚が残る。主人公が魅力的でないのはこういった種類の映画では致命的だ。
ディズニーが大好きな、外見で判断ができる種同士がくっつく、といういつもの白人思想もそのまんま。なんだろう、このへどが出る感覚。
テイラー・キッチュと同じく、ウルヴァリンで注目を浴びたリン・コリンズもこの映画では生かしきれていなかった。かわいそうに。
脚本が大味でストーリーが破綻。なぜこうなった、と見終わった後に、あまりのヒドさにこの映画の製作会議の様子を見てみたいと思った。
ウィレム・デフォーがちょい役で出ているがいい味だしてる。「シャーロック・ホームズ」で品のある悪役が適役だった、マーク・ストロングが今回も知的悪役で、唯一ハマっていた。